エスカレーター事故の怖さ

先週の水曜日のバイト帰り。14時半ごろ。

帰りはいつもイヤホンをつけて、帰って何を食べようか考えながら帰路に着く。

 

この日もいつも通り帰宅する予定だったが、ホームに向かう上りエスカレーターで、おばあさんが後ろに倒れてしまった。

 

おばあさんのすぐ後ろにいた女性2人は、大丈夫ですか!?と声をかけながらも、止まらないエスカレーターに焦っていた。おばあちゃんの体制をどうにかしないと…という緊迫した空気。

その女性たちの後ろ(私の前)に、たまたまマッチョなおじさんがいて、その方がサポートしながら引き続きおばあさんの体制を整えようとしていた。

 

しかし、おばあさんは起き上がれないままで、結局降り口付近が詰まってしまった。女性2人は雪崩状態で倒れてしまったのだが、すぐ立ち上がって避けてくださったおかげで、私はおばあさんを飛び越える形で、ぎりぎりでぶつかることなく降りることができた。正直、降りる時に誰かを踏んでしまったり、自分も倒れ込むのではないかと気が気ではなかった。

 

そのとき私の後ろには人が居なかったのでエスカレーターは詰まることもなかった。倒れたおばあさん、女性2人、男性、私が現場に立ち会っており、女性2人がすかさずおばあさんの安否を確認し、おばあさんも「すみませんねぇ…」という感じで、ゆっくり立ち上がった。

 

男性は「駅員さん呼んできますね」といって、素早く改札前まで行ってしまい、私はアワアワしたままだった。実際におばあさんを支えたわけではなかったし、現場状況が分かる人が3人いれば充分ではあったが、なんとなくそのまま帰りにくく、女性2人に「おふたりもお怪我ありませんか!?」と聞くことしかできなかった。

 

結局おばあさんは怪我もなく、男性の素早いフォローにより駅員さんもすぐ駆けつけてくれて状況は収まった。

 

この日の帰りは、何もできなかったなあと落ち込んでしまった。正直、あのポジションで何かができたわけではなかったが、駅員さんを呼ぶということさえも頭に浮かばなかったことが悔しかった。

 

いつかまたこういった現場に遭遇したら、人任せにせず落ち着いて行動しよう…!とあれこれ考えたりもした。

 

そしてその5日後の今日である。

今日もいつも通りバイトが終わり、最寄りの改札へ向かう上りのエスカレーターに乗ろうとしていた。

 

すると、おじいさんが後ろに倒れてしまい、周囲の人がおじいさんを支えているところを見かけた。エスカレーターに乗っている人たちはざわついており、他の人たちは階段で改札へ向かおうとしていた。

 

このままエスカレーターに乗った場合、降り口で詰まってしまって怪我人を増やす可能性もある。

階段を利用し改札へ向かい、あとは現場の人たちに任せてそのまま帰ることもできるくらい距離は離れていた。

 

しかし、おじいさんを支える人の姿や、エスカレーターで人が倒れたのを黙って見ていられなかった。なぜなら先日何もできなかったことに悔やんでいたからである。

 

今なら誰よりも早く、冷静に、駅員さんを呼べる!と思い早足で階段を登った。

 

いざこういった現場に遭遇したとき、冷静に対応できる人間がこの中にどのくらいいるのか、ということを考え、こういう時は、動ける人が動かないといけないのだという結論に至った。

 

結局、階段を利用し改札へ向かった人の中で、エスカレーターの様子を気にする人はいたけれど、駅員さんを呼ぼうとした人は私以外にいなかった。今日は夜の6時半頃で、軽く帰宅ラッシュでもあった。

 

改札に着いてエスカレーター付近を見たら、おじいさんとおじいさんを支えていた男性が、ゆっくり立ち上がるところだった。

 

私が駅員さんを呼ぼうと向かっているところに、おばさまが1人近づいてきて「駅員さん呼ぶところですか!?」と声をかけてくださったので「そうです!あとは大丈夫です!」と返事をした。

 

駅員さんに声をかけようとしたが、内線で話し中だったので、すみませーん!と声をかけたら、駅員さんが慌ただしく出てきた。

 

おそらくホームにいた誰かが目撃しており、ホームにいた駅員さんに声をかけ内線で連絡をしていたのではないかと思う。

 

「怪我ですかね?」と出てきた駅員さん。上りエスカレーターで後ろに倒れてしまったようで…と説明していたところに、おじいさんと男性が到着した。

 

おじいさんは腕から大量に出血していた。駅員さんは救急車呼ぼうと言って対応してくれた。おじいさんは大丈夫、痛くないと言っていたが、かなりご高齢であることと、かなり出血していたので、半ば無理やり(?)駅員さんが用意してくれた車椅子に座らされていた。

 

おじいさんはリュックを背負っていたので「車椅子乗るならお荷物1回降ろしたほうが良いですよ、持ちますよ」と声をかけたら、大丈夫大丈夫と言われてしまい、いや腕から血出てますし…と説明しながらリュックを軽く持とうとしたら、これがかなり重たいリュックを背負っていて、そりゃ倒れるわ…と思ってしまった。それを見かねた男性が「持ちますよ〜!」と言って、重たいリュックをひょいと預かってくださった。

 

「後ろから倒れてしまったんですか?」とおじいさんに尋ねると「そう、うしろからね」と仰っていたので、会話も成立するし、状況説明もご本人でできそうだったので、駅員さんに「あとお任せしても大丈夫ですか?」と声をかけて、大丈夫です!と言われ現場を後にした。

 

おじいさんを支えていた男性にも軽く会釈して、帰路についた。

 

こんな数日の間でご高齢のエスカレーター事故に遭遇したのは怖かったけれど、今回は2回目だったのでかなり冷静に行動できたと思う。

 

こういった事故現場では、自分にできることを冷静に考えて行動しなければならないと感じたし、ご高齢の方は思っている以上に、自力で体制を整えられないこともわかった。

 

エスカレーター事故、本当に怖い。おじいさん、おばあさんは無理せずにエレベーターも利用してほしいなと思った。あと重たい荷物を無理して持たないでほしい。宅配サービスとかいっぱいあるので利用してほしい。

 

怪我をしてしまったおじいさん、お大事になさってくださいませ…!